中林沙也加 (文学部3年)「留学生100人に聞く」の感想

 「同志社または京都での勉強・生活で一番印象に残ったことを教えて下さい。」
今回我々英字新聞部はこの質問を82名の同志社で学ぶ留学生にぶつけてみた。


中林

現在同志社大学には、全体で100名の留学生がいる。国ごとの内訳は、30以上(中国、韓国その他)だ。
日ごろ、一般学生と留学生がふれあう機会は多いようで少ない。お互い本当は身近な存在であるはずなのに、知らないことは多いのではないだろうか。
このアンケートへの回答から留学生のその日常や彼らの学生生活への本音が見え隠れする。一般学生はこの回答から、遠い存在に思える留学生であっても自分と同じ学生であり、同じ場で学ぶ者であること、留学生は自分が日々留学生活で感じることと重なる部分や違ったものの見方を垣間見ることができるのではないだろうか。

回答の中で、最も多かった内容は、
「京都は日本の大都市として、賑やかだと思いきや、静かな大都市であり、その上伝統的と現代感のある建築が調和しているので、素晴らしい大都市と思う。」(台湾・留学生別科所属)

去年清水寺の夜の「特別拝観」に行った時、夜空にきらきらと輝くお寺と石畳の道で出会った舞妓さんの着物姿を目にした瞬間、まるで日本というものと恋に落ちたかのように、心が引かれました。(中国・社会学部)

「一番印象に残ったのは京都の夏の祇園祭です。日本の三大祭の一つにも数えられる祇園祭は、京都の1年の中でも、最も多くの方がお見えになる祭りとして知られています。祇園祭の宵々々山から宵山あたりまでは夕方になると四条通が歩行者天国になるのもそのひとつだと思います」(中国・留学生別科所属)

に見られるように、京都の伝統行事や昔ながらの街並みに心が魅かれたというものだ。
祇園祭に参加したことが楽しく、興奮する出来事だったと回答した学生も多かった。
日本人学生でも京都の伝統文化にふれたいという目的で同志社大学で学ぶことを希望したり、地方から上京してくる学生は多い。そうした学生と留学生が伝統行事に一緒に参加し、新しい刺激を楽しむことは可能だろう。

全ての学生が、
「京都はきれいな町と思う。他の都市とかなり違って京都いれば、心が和む。京都が大好きです。8月になって帰国する予定なんですが、いつかもどりたいと思います。」(中国)
という感想を抱き、京都という都市と出会うことで新たな自分を発見し、第二のふるさととなればと思う。京都は「学生の町」という顔も持っている。世界中から集まる学生が、京都の伝統の懐にいだかれ、最高の学びと出会いを経験してほしいと思う。

次に多かったのが、
同志社大学では楽しく勉強できる雰囲気が溢れていて、何をしても、学生達は自ら積極的にやっていくという点に非常に関心しています。京都は学問の町だと言うなら、同志社大学は学習の聖地だと言えるでしょう。(中国・商学研究科前期)

というように、学びの場としての同志社大学の充実についての声だ。 同志社大学ではアンケートにもあるように、留学生のためのサポートや行事が多数行われている。異国で暮らす不安はとても大きいもの。こうしたサポートが学ぶ上での不安をなくし、また日本での暮らしの印象を大きく変えるものとなるだろう。 そのほかにも同志社大学のキャンパスの広さや設備のよさを指摘する学生もいた。 同志社大学も世界に開けた大学として、京都という伝統的な街に存在しながら進化しつつあるのだ。

では、世界に開けた大学に学ぶ大学生として私たちはどのような姿勢を身につけ、そしてこれからどのように留学生と交流していけばいいのだろうか。

今年同志社で作った友達は一番残っている印象だ。アメリカに帰っても、今年会った人は決して忘れない。(アメリカ・AKP)
いつまでも、先生たちの優しさを忘れない;一生、先生の恩を忘れない(中国・?)

本アンケートでは人との出会いが最も印象的だと答えた学生が多々いた。
異国で心を通わせ、時間を共に過ごす。これはまさに「一期一会」そのものである。
国籍や育った背景が違っても、私たちは同じ人間、そして同じ学生だ。
外国の人と話すとなると、つい壁を感じてしまう学生もいるかもしれない。
しかし、私たち一人ひとりが持つ違いを「楽しむ」姿勢がもっと求められるのではないだろうか。自分と異なる背景を好奇心を持って知ろうとすること。そして、それを寛容に受け止めるために相手のことを考え、理解しようとすること。その姿勢がもとめられるのではないだろうか。そして、私たち日本人学生自身も自分のこと、自分の国、文化のことをきちんと知り、それを発信できなければならない。真の国際人とは、「自分のことを知り、発信することができ、相手との違いを受け止め楽しむことが出来る人」ではないだろうか。
これは私たちが将来この国境がなくなろうとする世界で生きるに当ってとても大切なものだと考える。その一歩として、留学生と交流する機会に積極的に参加し、同じ学生として会話、対話を重ねることが大切なのではないだろうか。

留学生アンケート、そこから見えてくるものが私たちが交流を深める第一歩の後押しをしてくれるのではないだろうか。

inserted by FC2 system