エッセイ

4色の京都

韓 廷 旼 (文学部 2年)

  桜の花が咲く春。
木は今まで何回、花を咲かせたか、木の全体に桜の花が満開している。京都の隅々にも張るが訪れてきた。物静かで、上品な美しさを持った銀閣寺にも、静かに考えながら歩ける哲学の道にも、均衡感のある南禅寺にも、琵琶湖の水を引き込むために建てられたという、自然と調和している、アーチ形の勇壮な姿の水路閣にも、一番、日本らしさを持った花は、一番、日本らしさを持った都市である京都を飾る。
 
  緑に覆われた木だけでも涼しさを感じる夏の京都。
日本の3大祭りである、祇園祭が京都の真ん中で開かれる。現代的な建物が立っている中心街を伝統的な衣服である浴衣を着た若者たちが歩く。日本人や外人の区別無く、皆が楽しく歩きながら、蒸し暑い京都の夏を満喫する。長い伝統の祭りを楽しむ人々の姿が京都をもっと魅力的な歴史都市にさせる。まさに、現代と伝統の活気のある調和である。
 
  紅葉狩りの季節。
蒸し暑さに覆われていた京都にも秋が来た。紅葉は京都を何よりも優雅にする。嵐山は有名な紅葉狩りの場所である。度月橋に伝来してきた昔話は、嵐山の風景をお洒落にする。また、紅葉の綺麗な鞍馬。貴船神社や鞍馬寺の風景は、まさに秋の感じ。暗くなったら、鞍馬線の叡山電車の一部区間で、紅葉をもっと楽しめるように灯りを消してくれる時は、まるで違う世界に入ってきたような錯覚を起こす。このような細かいな心遣いでもっと秋の京都を楽しめるのではないか。
 
  京都の冬は金閣寺が思い浮かぶ。異常的な美しさを持ったといわれる金閣寺。京都にはまれに降る雪に覆われている風景の写真は有名だ。小説金閣寺に描かれているような神秘的な感じまではないけど、金箔の建物、そのものだけでも十分に非現実的な感じである。金閣寺では、花の美しさを強調する生け花のような日本らしい美が感じられる。小説金閣寺も冬の金閣寺から生まれたような気がする。
銀閣寺
歴史的な都市である京都には、伝統が昔のままに生きている。春、夏、秋、冬の季節ごとに特徴を持っている、カメレオンのような所である。多くのお寺や神社などがもっと韻致のある京都にする。
1000年以上も首都であったため、京都には日本史そのものがこもっている。 長い間、政治や文化の中心地、首都だった京都には色いろな所に跡が残っている。普通の道が昔、ある武士の屋敷だったりすることは、とても面白く魅力的に思われる。街を歩いていると、生きている歴史が感じられる。
このような京都には17件の世界文化遺産がある。しかし、誰かにみせるための観光都市だといえるより、自分の文化と伝統を保存し、維持するために努力している都市だと思われる。昔から少しずつ時代に合わせて、その姿を変えてきたはずの京都には、その昔の人々の精神が今でも生きている。歴史の遺物そのまま保存された所ではなく、現代とどうやって共生するのかをいつも考えながら発展していく文化都市の見本であると思う。
inserted by FC2 system キャプション:銀閣寺