「私のふるさとの国際交流〜宝塚編〜」

福間千華(文学部3年)


右 福間

宝塚は歌劇のメッカ
みなさん、こんにちは。同志社大学文学部三回生の福間千華です。今回は「私のふるさとの国際交流」というテーマで皆さんに私の故郷、宝塚市での国際交流事業をレポートしたいと思います。皆さんは、宝塚市が何県でどのくらいの規模なのかご存知ですか?宝塚は兵庫県の南東で、大阪と神戸のちょうど間に位置しています。さて、では宝塚と聞いて思い浮かぶものってありますか?宝塚と言えば、何といっても世界に誇れる未婚の女性だけの劇団「宝塚歌劇団」や鉄腕アトムやブラックジャックの作者としても知られる手塚治虫の故郷としてとても有名です。実はあまり知られてはいませんが、宝塚は温泉地でもあるため、毎年海外の方も沢山いらっしゃいます。世界に誇れる文化をもった宝塚市は一体どのような国際交流事業を行っているのでしょうか。

姉妹都市
まず始めに、宝塚の海外の姉妹都市を紹介します。宝塚の姉妹都市は二つあります。まず一つ目は、平成元年にオーガスタ・リッチモンド郡(アメリカ合衆国)と姉妹都市提携を結んでいます。平成11年には両市で宝塚・オーガスタ姉妹都市提携10周年記念事業を実施しており、9月にオーガ スタ市長一行が来訪されました。宝塚市民を前に、両市長より「姉妹都市交流推進確認宣言 ・署名」を行い、10月には正司前市長を団長に「宝塚市民オーガスタ親善訪問団」がオーガスタへ。オーガスタ市民と共に「姉妹都市交流推進確認宣言・署名式」「歓迎交流会」を行い、音楽や絵 画、料理、ゴルフなどを通じて市民交流をし、また郡立美術館で宝塚の風景や生活・ 文化を紹介する「宝塚紹介展」が開催されました。

さて、もう一つの姉妹都市は、音楽の国オーストリアのウィーン市第九区です。音楽で有名なウィ−ンですが、第九区にはシューベルトの生家やシューベルトが幼児洗礼を受けたリヒテンターラー教会があり、ベートーヴェンやモーツァルトなどが住んでいました。

この提携が実現したのは、宝塚歌劇団のルーツであるフォルクスオーパー劇場の存在があったからだといわれています。日本の歌劇の街「宝塚」と世界の歌劇のルーツの町「ウィーン」が提携するなんて素敵だと思いませんか。翌平成7年の震災の折りにはチョコレートやワイン、お見舞金が届けられました。その後、ウィーンの音楽団などが来日して宝塚市民との交流を図ったり、宝塚市商工会が視察研修に訪問。平成8年には、「オーストリア建国1000年記念ドナウ河千本植樹プロジェクト」の募金に協力し、贈呈・植樹式に宝塚市民が出席しました。その後現在に至るまで、記念式典は毎年行われています。

では次に市民レベルでの国際交流事業についてレポートしたいと思います。平成12年の国勢調査の結果によると宝塚市在住の海外の方はおよそ3000人です。特定非営利活動法人宝塚市国際交流協会では毎年様々な市民レベルにおける国際交流イベントを行っております。例えば、宝塚市在住の外国人の方の出身国の料理教室やバーベキュー、語学教室など様々です。また、宝塚独自の国際交流も行っています。これは、宝塚歌劇団が主催する国際交流で、外国人の方々に宝塚歌劇が生まれた歴史や実際に舞台を見てもらうことによって、日本文化の一端を理解してもらおうというものです。2006年に行われたイベントでは、近隣の大学で学ぶ留学生11人が参加しました。出身国はバラエティに富み、ベトナム、韓国、アメリカ、タイ、フィンランド、中国、フランスでした。参加した留学生達は今までにない感動を覚えたようです。

このように、宝塚市では市の特徴を活かした、国際交流が行われています。しかし、まだまだ国際交流に積極的に関わろうとする市民は少ないように感じます。これからどんどんグローバル化されていく社会の中で人々の交流が積極的に行われ外国人にとっても日本人にとっても住みやすい町になってくれればと思います。皆さんの町はどうですか?一度国際交流という観点から町を見直してみてはどうでしょうか。新たな発見があるかもしれませんよ。

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