AFSと同志社    近松 賢(本学政策学部4年)

AFSという言葉を高校時代、耳にしたことはありませんか。高校生を対象とする    海外交流プログラムをおこなう非営利団体です。組織としては世界的な規模ですが、本学ではさほど目立っていません。しかし、AFSと同志社は関係が強いことがわかりました。AFSの京都支部長を経験した政策学部の近松 賢君にまとめてもらいました。

  AFSとは、相互理解による平和な世界を実現するため、高校生の交換留学を中心と した非営利の民間国際教育交流機関です。AFSは、1946年に世界平和を願って American Field Service(アメリカ野戦奉仕団体)が国際交流をしたことから始まりま した。現在、ニューヨークに国際本部を置き、50以上の加盟国、地域で活動してい ます。京都支部は、学生を中心に社会人ボランティアの協力の下、異文化交流と相互 理解を目指し、留学生をサポートし日々様々な活動を展開しています。

  高校生を対象としているので本学ではサークル活動は認められていなかったです が、2007年秋登録団体として承認されました。本学での広報活動が積極的に行うこと ができるようになったとのことです。高校時代の海外経験を生かし、本学でも約15名 が京都支部の下で活動しています。本学では目立つ存在ではないですが、地道に国際 交流活動を積極的に行っています。

  私(2007年度AFS京都支部長)からの次の資料・説明を紹介いたします
  なお、本学に交換留学生として来日したタイのタマサート大学のアイコさんもタイ AFSで高校時代日本に滞在していました。本学のスタッフも2007年12月のAFS 京都支部のクリスマスパーテイに参加しアジアの留学生との交流を深めました。 なお、塩崎元官房長官ご夫妻がAFS出身で多数のAFS経験者が日本で活躍され ています。

○ 同志社大学を卒業したAFS出身者数<過去5年間>   推計 15人

○ AFS留学生受入
同志社高校 香里高校 国際高校
2002 1(ベトナム) 1(スウェーデン) 
2003  1(スイス) 
2004  1(ドイツ) 1(ベネズエラ)
2005  1(フランス) 1(タイ)
2006  1(タイ) 1(アルゼンチン)
2007  1(韓国) 1(アメリカ)

○ AFS送出
同志社高校 香里高校 国際高校 女子高校
2000 短期1、  短期1 年間1
2001 短期4、年間1  短期1 年間2
2002 短期3、年間2  短期1 
2003 短期1、年間1 年間1  短期1
2004 短期3, 年間3 短期1, 年間1 年間1 
2005 短期4, 年間1  年間1
2006 短期1, 年間1   年間2
2007 短期2, 年間3 年間2 年間1 短期1, 年間2
2008 短期4,  年間2 
  行先:不明

高等学校等における国際交流等の状況―2006年度文部科学省調査
        (「文部科学広報」2007年12月27日第97号))

  1. 外国への修学旅行
  2. 学校訪問を伴う外国からの教育旅行の受入れ
  3. 姉妹校提携(2007年5月1日現在)
  4. 生徒の留学(3ケ月以上)
  5. 生徒の外国への研修旅行(3ケ月未満)
  6. 外国人留学生(3ケ月以上)の受入れ
  7. 外国からの研修旅行生(3ケ月未満)の受入れ
  8. 英語以外の外国語の開設について(2007年5月1日現在)

  私たちAFS学生ボランティア同志社生は、京田辺キャンパス・今出川キャンパスの2つのキャンパスに別れ、それぞれ活動を行っています。活動内容としては、同志社近辺にいかにして異文化理解の、そして相互理解の場の提供を出来るかのミーティングの実施。また、企画の作成や運営を行っています。多くは、京都にくる留学生のためのホストファミリー探しの企画になります。ホストファミリーを探すために、教授訪問をしたり、近辺のお店にポスターの掲示や案内を書いたものを置かせてもらうといった地道な活動がそれにあたります。実際、家族となることが、一番の異文化理解の近道だと考えるからです。更に、留学生がくれば、ホストファミリーだけではなく、そのコミュニティー全体にも異文化の身近を感じてもらえることになると確信しています。

  他にも、留学生とホストファミリー、ホストスクールが円滑に生活できるようサポートすることも多々あります。こうした社会と接する機会を多く持つ私たちの活動は、私たち自身にとっても大変良い経験であり、同志社を卒業したあともその経験をいかし、活躍されている方も多いようです。

  また、熱心なメンバーのひとり田口さん(政策学部2008年3月卒業:外資系の会社に就職)の経験談を紹介したい。

  田口さんの経験


田口さん(左)、近松君(右)
  「AFSはほとんどは社会人が運営しているのですが、東京や京都など学生が多い都市では、大学生が主体となって活動しています。私がAFSの活動に携わるようになったのは、高校2年生の時にインドネシアに1ヶ月の短期留学をしたことがきっかけです。その時にホストファミリーを探してくれたり、滞在中のサポートを担当してくれたのがAFSでした。その恩返しの意味から、大学生になったらボランティアとして活動しようと思ったのです。」

  「2年目には、留学生の受け入れ家庭を探すFF(ファミリー・ファインディング)の部長を担当したのですが、授業の合間に候補の家庭に電話したり、放課後には実際に家庭訪問をしてプログラムの内容やサポート体制の説明をしたりと、生活の中心の1つがAFSの活動でした。私はこの経験を通して、多くのことを学ぶことができたと思います。」

  「1つは、どんな時も相手の視点で物事を考えるようになったことです。例えばホストファミリーには、ただこちらの熱意だけを伝えてもうまくいきません。自分がその立場になった場合を考えて、マイナス面もきちんと話してこそ理解していただけます。留学生、ホストファミリー、スタッフ、それぞれの立場・視点で考え、誠実に対応することを覚えました。卒業後も何らかの形で、東南アジアとの関わりを持ち続けたい。そしてゆくゆくは、自分がホストファミリーとして、留学生の受け入れに協力できたらと考えています。」
(同志社大学通信誌「One Purpose」"My Purpose"(No151,2007June) Profile田口から一部転載)

  ところで、AFS京都支部の活動開始50周年を記念する集いが、去る2007年2月10日、京都市国際交流会館イベントホールにて行われました。この支部を50年間、いまもなお支えておられます荒木泰子さん(財団法人京都市国際交流協会相談員)へのガラッティ賞授与式も同時に開催されました。当日は、一般参加者の方々、ホストファミリーやホストスクール、AFS国際本部のカザール会長、そしてこれまで京都支部で活動してきた歴代支部長、ボランティアOB・OGなど、総勢150を超える人々が参加しました。

([同志社大学職員英語クラブニュース トピックス 第3号](2007年5月31日)から転載、加筆)。
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